まとめ
区分
常時5人以上の労働者を使用する事業場
常時5人未満の労働者を使用する事業場
労働時間の制限
- 1日8時間、1週40時間
- 時間外労働は1週12時間まで
- 法定の労働時間制限は原則として適用されない
時間外労働・深夜労働・休日労働の割増賃金
- 時間外労働、深夜労働および休日労働には原則として50%の割増賃金
- 法定の割増賃金は原則として適用されない
年次有給休暇
- 法定の年次有給休暇が適用される
- 労働契約などに別段の定めがない限り、原則として付与義務はない
解雇
- 解雇には原則として正当な理由が必要
- 正当な理由を必要とする規定は原則として適用されないが、通常、30日前の解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要
使用者の責めに帰すべき事由による休業手当
- 原則として平均賃金の70%以上を支給
- 原則として支給義務はない
公休日および代替公休日
- 公休日および代替公休日を原則として有給休日として取り扱う必要がある
- 原則として有給とする義務はない
常時使用する労働者数の算定方法
常時使用する労働者数は、原則として、関連する事由が発生した日の直前1か月を基準として算定します。算定期間中、労働者が5人未満であった日が全稼働日数の2分の1以上である場合、その事業場は5人未満の事業場として取り扱われます。
はじめに
韓国では、経済規模の拡大と労働者保護の発展に伴い、労働関連規制も次第に拡充され、複雑化してきました。しかし、常時使用する労働者が5人未満の事業場には、労働基準法の一部の規定のみが適用され、小規模事業場の規制負担が軽減されています。2026年7月現在、このような適用除外は引き続き有効です。一方、韓国政府は、5人未満の事業場に対しても労働基準法の適用範囲を段階的に拡大する方針を公表しているため、使用者は今後の立法動向を継続して確認する必要があります。本稿では、5人未満の事業場に適用されない主な規定と、常時使用する労働者数の算定方法について説明します。
常時使用する労働者が5人未満の事業場における主な適用除外
- 労働時間の制限
常時5人以上の労働者を使用する事業場では、通常、休憩時間を除き、労働時間は1日8時間、1週40時間を超えることができません。また、時間外労働は原則として1週12時間までに制限されます。ただし、このような一般的な労働時間の制限は、常時使用する労働者が5人未満の事業場には適用されません。例えば、当該労働者が成年者であり、かつ特別な労働時間保護の対象でない場合、1日10時間、1週50時間と定める労働契約は、一般的な労働時間の上限を超えているという理由だけで無効となるものではありません。このような労働者は、1週12時間を超える時間外労働を行うことも可能です。一方、未成年者、妊娠中の労働者および出産後1年以内の労働者には、別途労働時間の制限が適用されます。また、すべての労働時間について適用される賃金を支払う必要があり、法定の休憩時間も遵守しなければなりません。
- 時間外労働・深夜労働・休日労働に係る割増賃金
常時5人以上の労働者を使用する事業場では、時間外労働および午後10時から翌朝6時までの深夜労働に対して、少なくとも当該労働者の通常賃金の50%に相当する割増賃金を支払う必要があります。休日労働については、8時間以内の部分には50%、8時間を超える部分には100%の割増賃金を支払う必要があります。常時使用する労働者が5人未満の事業場には、このような法定割増賃金の支払義務はありません。ただし、実際に労働した時間については、適用される時給に基づいて賃金を支払う必要があります。
- 年次有給休暇
勤続期間が1年未満の労働者には、1か月皆勤するごとに1日の年次有給休暇を付与する必要があります。労働者が1年間継続して勤務し、かつ所定労働日の80%以上出勤した場合には、15日の年次有給休暇を付与する必要があります。勤続3年目以降は、2年ごとに1日の年次有給休暇が加算され、上限は25日となります。常時使用する労働者が5人未満の事業場では、このような法定年次有給休暇を付与する義務はありません。ただし、労働契約や会社の方針など、拘束力のある文書に別段の定めがある場合には、年次有給休暇を付与する義務が生じる可能性があります。
- 解雇
常時5人以上の労働者を使用する事業場では、使用者は正当な理由なく労働者を解雇することができません。これに対し、常時使用する労働者が5人未満の事業場には、解雇に正当な理由を必要とする規定および労働委員会による不当解雇救済に関する規定は適用されません。ただし、法定の例外が適用される場合を除き、使用者は解雇日の少なくとも30日前までに解雇を予告するか、30日分以上の通常賃金を支払う必要があります。
- 使用者の責めに帰すべき事由による休業手当
常時5人以上の労働者を使用する事業場において、使用者の責めに帰すべき事由により休業する場合、使用者は対象となるすべての労働者に対し、休業期間中、当該労働者の平均賃金の70%を支払う必要があります。例えば、改装工事、財政上の困難、機械の故障など、使用者の責めに帰すべき事情がこれに該当する場合があります。このような休業手当の支払義務は、常時使用する労働者が5人未満の事業場には適用されません。
- 公休日および代替公休日
常時5人以上の労働者を使用する事業場では、労働契約上、月曜日から金曜日まで勤務する労働者について、月曜日が公休日に当たる場合、その日に勤務しなくても有給の公休日として取り扱う必要があります。当該労働者が公休日に勤務した場合には、割増賃金も支払う必要があります。これに対し、常時使用する労働者が5人未満の事業場には、このような公休日を有給とする義務はありません。公休日に勤務した場合、当該労働時間に対する賃金を支払う必要はありますが、法定の割増賃金を支払う義務はありません。常時使用する労働者が5人未満の事業場であっても、有給の週休日および勤労者の日は別の規定により適用されるため、遵守する必要があります。また、労働契約や会社の方針などにより、労働者により有利な休日制度を設けることもできます。
常時使用する労働者数の算定方法
- いつ常時使用する労働者数の算定が必要となるのか
労働基準法上、5人基準は、賃金台帳に記載された労働者数だけで決まるものではありません。法律では、直前1か月間に使用した労働者数および同期間の稼働日数に基づいて算定することとされています。関連規定の適用事由が生じるたびに、常時使用する労働者数を算定する必要があります。例えば、時間外労働、休業、公休日または解雇が生じる場合がこれに該当します。
- 常時使用する労働者数はどのように算定されるのか
関連する法的事由が生じた日の直前1か月が算定期間となります。施行令では、常時使用する労働者数を二段階で算定します。第一に、算定期間中の日ごとの労働者数の合計を、同期間の稼働日数で割り、平均労働者数を算出します。第二に、労働者が5人未満であった稼働日数を確認します。労働者が5人未満であった日数が、全稼働日数の2分の1以上であれば、労働基準法上、5人未満の事業場として取り扱われます。反対に、その日数が全稼働日数の2分の1未満であれば、労働基準法上、5人以上の事業場として取り扱われます。例えば、ある事業場の算定期間中の稼働日数が20日で、そのうち11日について労働者が5人未満であった場合、労働基準法上、5人未満の事業場として取り扱われます。実務上は、第二段階の結果が最終的な判断を決定するため、第二段階が特に重要となります。
年次有給休暇については、特別な算定方法が適用されます。他の多くの規定とは異なり、15日の年次有給休暇については、直前12か月間、常時5人以上の労働者を使用する事業場として継続していた場合に、付与義務が生じます。
- その他の留意事項
通常、個人事業主本人は労働者数に含まれません。
パートタイム労働者も1人の労働者として算入します。この場合、フルタイム労働者の労働時間に比例させて換算することはありません。
契約の名称にかかわらず、使用者の指揮および監督を受ける関係の下で、賃金を目的として労働している場合、その者は実質的に労働基準法上の労働者に該当するため、労働者数に含める必要があります。
使用者が2か所以上の事業場を運営している場合があります。これらの事業場が組織面または機能面で独立して運営されていない場合、一つの事業場として取り扱われ、労働者数が合算される可能性があります。
